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都市生活では、日々、多様な芸術活動が行われています。美術館や博物館、音楽ホールなどの公共空間をはじめ、ギャラリーやカフェなどの街の小さなスペースにおいても、様々なアートを目にします。美術を研究専門領域とする私自身も、そうした社会にセットされた芸術文化活動に関わる機会が多くあります。大学教員としてこどもの造形表現に関する教育に携わる一方で、現代美術を扱うギャラリーでの展覧会のキュレーション、美術教育の普及を目的としたワークショップ等のファシリテート、地域創生のためのデザインワークなどがそれらに当たります。様々な場所に出かけ、様々な方々と関わりながら、アートがもっている社会的な機能と可能性を発見し、またそれを具体的に展開していく実践が、私自身の研究活動だと考えています。
こうした私自身の研究活動は、授業のカリキュラムにおいても反映されています。とりわけ3年生から担当する「専門研究ゼミ」や4年生の「表現実践フィールドワーク」の活動では、美術館や博物館の見学により都市環境の中にある文化的装置の在り方を理解することや、学外でのアート作品制作や子育て支援のワークショップへの参加など、社会的な実践アプローチにも取り組みます。こうした活動は、直接的に保育技術を修得するためのものではなく、アートという創造的な表現活動によって、こどもが育つ社会環境をより豊かなものにしていくための教養を身につける学びであると捉えています。今後も授業を通じ、様々なかたちでアートとこどもの育つ環境の接続について探究していきたいと思います。