卒業生の皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。我々、こども教育宝仙大学の教職員一同、ご卒業を心からお喜び申し上げます。
ご家族の皆様も、ご卒業を、心待ちにされていたことと思います。しっかりと成長され、見違える姿で門出を迎えられます。心からお祝いを申し上げます。そして4年間のご支援、誠にありがとうございました。
ご来賓の皆様にもご臨席いただき、公私ともにお忙しいところ、誠にありがとうございました。
振り返りますと、皆さんの入学式は新型コロナウィルスがまだ沈静化しない中で行われました。ご家族の皆様には、ご臨席いただけず、ライブ配信で、お子様の晴れ姿を眺めていただきました。
またロシアによるウクライナ侵攻が始まった年でもありました。4年経ちますが、未だに終わっていません。
そのような中での入学式でしたが、私からは、二つ「おめでとうございます」と申し上げました。一つはもちろん「入学おめでとう」です。もう一つは、「成人おめでとう」です。
民法が改正され、入学式の前日に、成人年齢が20歳から18歳に、約150年ぶりに引き下げられました。選挙権年齢も18歳に既に引き下げられており、入学時点で、成人社会のフルメンバーシップを得たことになります。
成人となり一人で契約できることを、皆さんにどう伝えるか、苦心しました。世間では、悪徳業者から、どう身を守るか、ということが強調されている様に思われました。でも実質は、契約、つまり法的な効果が生じる「約束」とは何かを理解し、一人で契約できる力を身に付けることが大切です。そのため、まず成人社会では、お互いの価値観を認め合う、尊重し合うことが大前提、と話しました。それぞれの多様な価値観を認め合うのが成人社会であり、その中で成立した約束、契約だからこそ、成人全員が守らないと、成人社会が成り立ちません。
そのため「成人基礎力」と称して指導してきました。「約束を守る」「期限を守る」「責任を持つ」、そして相手方に「だまされない」を、身に付けることを優先しました。ただ大学時代は、練習だった様にも思います。卒業して社会に出ると本格的な実践です。個人としての契約だけでなく、仕事上の契約も結ぶ必要も生じます。成人基礎力をもう一度確認して歩んで欲しいと思います。
さて、大学4年間、様々なことを経験していただきました。
「保育の宝仙」として伝統ある本学です。3年生の時には、富山県利賀村との教育交流50周年式典を現地で体験しました。4年生の時には、東日本で初めての仏教系保育者養成施設、仏教保育協会保姆養成所から数えて90年、開学90周年記念式典を体験しました。HOSEN WAYと称した、本学の歩みを実感していただきました。そして大学のイメージキャラクターとして「せんちゃん」も決定しました。
オーストラリアへの保育留学では3期生全員がCertificateⅢを取得して帰国しました。周りの目を気にせずに自分の判断ができる様になった等、頼もしい言葉が聞かれました。国外保育体験にチャレンジした方も、オーストラリアの保育を実体験して帰ってきました。保育実践フィールドワークでは、ニュージーランドの保育を採用している北海道の認定こども園を視察、国内での実践も体験できました。海外の保育にも広く視野を拡大した学年だったと思います。
今月初めの卒業研究発表会では、全員が優れた研究を発表してくれました。保育実習、教育実習の経験も踏まえ、保育についても深く掘り下げて研究していました。全員の研究内容が記載された、卒業研究要旨集も相当レベルが上がったと感じました。担当教員の真摯な指導のもと、それぞれが素晴らしい研究だったと思います。
就職面も順調で、多くの方が早々と就職先を決められました。公務員試験にチャレンジした学生達も多く、公務員就職率は過去最高となりました。
自主的な活動にも積極的で、学友会や、サークル活動、また大学案内への登場も含めた、本学広報をサポートするKSP、広報サポーターにも多くの方がチャレンジしてくれました。高校生の皆様に、本学の良さを分かりやすく直接説明してくれました。おかげ様で、来年度の入学者数は過去最高となる見込みです。
このような様々なチャレンジの中で、社会人としてのコミュニケーション力も身に付け、本日巣立っていきます。我々も本学が目指す「品格と知性を兼ね備えた人を造る」教育に、懸命に取り組みました。自信を持って社会人として、本日卒業していただくことができます。
コロナ禍を乗り越え、皆さんは、予期せぬ状況に対応する柔軟性や、自己管理も身に付けました。痛感されたのが、人と人とのつながりの大切さ、ご家族も含め人を思いやる優しさ、だったと思います。保育者になる方は、そのことを園児達に是非とも伝えていただきたいと思います。
益々、国際情勢は不安定で、ウクライナだけでなく中東にも戦火が広がっています。自然災害も含め、今後も予期せぬことが起こるでしょう。人とのつながりや、思いやりを大切にしながら、蓄えてきた力で、乗り越えて欲しいと思います。
でも疲れたら少し休んでみて下さい。人生100年時代を生きる皆さんには、時間は充分にあり、選択肢は多種多様です。自分を再発見する充電期間も大切です。そのような際は、本学や、先生方のことも思い出し、いつでも本学を訪ねてみて下さい。大歓迎致します。
こども教育宝仙大学は、皆さんにとって永遠の母校であり、教職員一同は、永遠の応援団です。
それでは、皆さんのご健康と、益々のご活躍を、心から祈念し、学位記授与式の式辞とさせていただきます。
令和8年3月19日 こども教育宝仙大学 学長 太田誠一