乳幼児期は生活習慣、特に、基本的生活習慣として食事・排泄・睡眠・着脱衣・清潔の観点からの習慣を形成する時期です。そして、小学校に入学するまでには、自分一人で身の回りのことができるようになることを目指します。自分のことを自分でできるようになることは、人として、また、社会の一員として生きていくことの基盤です。そのため、保育所保育指針、幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領でも、その重要性から保育内容「健康」の中で、基本的生活習慣の獲得を示しています。
乳幼児期の基本的生活習慣の獲得においては、規則正しい生活リズムを身につけることから始めます。つまり、「早寝・早起き・朝ごはん」の合言葉のように、朝早く起きて、楽しく遊ぶための栄養補給をし、たくさん遊んで1日を過ごしたら、次の日のために眠りにつくという過ごし方を毎日繰り返し、習慣化することが大事です。ここ何年か、朝食を欠食する子どもが、午前中にしっかり遊べなかったり、イライラしたりするということが報告されています。乳幼児は、遊ぶことで発育発達し、多くのことを学びます。子どもの発育発達を促すために、養護者は子どもの生活や環境を保障していく必要があります。生活習慣は、そのほとんどが家庭で保護者により培われます。ただ、昨今の状況から、家庭以外の場所で1日のうちの長い時間を過ごす子どももいます。つまり、生活習慣を身につける支援をする保育者も、習慣化させるための役割を担います。そこで、重要になるのは、保護者、保育者の意識です。子どもをとりまく大人たちも、子どもと同様に規則正しい生活リズムを意識して、子どもと共に生活することです。これにより、子どもたちの規則正しい生活リズムが形作られ、生活習慣を身につけることに繋がります。また、家庭と園生活をつなぐためにも、保育者と保護者は連携をしていかなければなりません。専門職としての保育者から、子どもに関する様々な情報を発信することも連携の一環です。子どもの健やかな成長をめざし、様々な情報を発信できる保育者が育っていくことが、わたしの願いです。
(農林水産省HPより 2022/10/31)